ヒューマンライブラリー特設ページ
ヒューマンライブラリーとは
ヒューマンライブラリーとは、障害のある方や路上生活経験者といった“偏見や差別を受けやすい”語り手を「本」役に見立て、図書館で本を読むように直接対話することで、お互いに理解を深めるイベントです。
本の種類は障害のある方やその家族、路上生活経験者、難病、不登校、化学物質過敏症と多岐に渡ります。
ヒューマンライブラリーの定義
①対話は1人の「本」に対して「読者」は1~5人程度の少人数であること。
② 「本」の語りは、生きにくさの自己開示を含む人生話であること。
③ 対話時間は、30分程度の短時間であること。
ヒューマンライブラリーの4つの特徴
① 司書・本・読者役がいること
② 図書館の仕組みそのまま
③ 読書時間は対話時間 であること
④ 予備知識は不要で、誰でも気軽に参加することのできるイベント
〇司書とは
主催者は「司書」役となり、語り手を「本」役として読者に紹介する媒介者となります。事前に「本」役の話をお聞きして読者に伝わりやすいように対話のアドバイスをしたり、「本」役の編集者の役も果たします。
対話の際には、「本」役の近くで待機しサポート役もします。30分間の対話時間のタイムキーパー役も果たします。
〇本とは
語り手の「本」役は、主として、偏見を持たれやすい人や生きにくさを抱えた人、過去にそうした経験をしたことがある人などが担います。具体的には、LGBT+、各種の障害者、薬物依存症、ホームレス、見た目問題を抱えた人、難民申請者、難病患者、元引きこもり、発達障害者、イスラム教徒などが選ばれますが、そうした人たちの支援者が「本」役を担う場合もあります。
〇読者とは
興味を持つ人たちならだれでも読者になれますので、一般の人たちの偏見の低減に効果的な活動として活用されています。
〇貸し出し
「貸し出す(読書)」とは、約30分の対話時間を貸すことになります。
2024年12月6日開催「立川市総合福祉センター」
本の内容:
◎榎本邦昭さん・谷口幸生さん(ヘルプ協会たちかわ)
『障害者の地域生活とその介護から見えてくるもの』
○榎本さんの生活の一コマを動画視聴
車いすユーザーである榎本さんは、4年前に立川市で自立生活をスタートさせました。
現在、調理や外出の際のサポートなどの介助を受けながら過ごされています。
○障害者の地域生活とその介護から見えてくるものについての話
皆さんが当然のように見ている景色も障害者やその介助を行うヘルパーには、違う様子に映っています。
その視点から障害者が地域で生きていくことの大変さや難しさが理解できます。
私たちの話を通して“この歩道、車いすの人が歩き難いんじゃないの?”って思えるようになっていただけることを願っています。
私たちは、誰もが住みやすい地域社会を目指して、この事業を実施しています。
皆さんにもこの機会を通して、私たちの活動に関心を持っていただければ幸いです。
◎丸山亮子さん(NPO法人ゆいまーる、合同会社ゆいまーる)
『ありのままがあたりまえに』
40年間の教員生活の最後の2年間、特別支援学級の担任になったことが福祉の世界に入るきっかけでした。10年前にNPO法人ゆいまーるを立ち上げ、現在、放課後等デイサービス2ヶ所、相談支援事業所、居宅介護事業所、発達障害やグレーゾーンの‶個性ある子どもたち”に向けた個別指導塾等を運営しています。子どもから大人まで、さまざまな人に関わりながら、「全ての人のありのままがあたりまえになる社会をめざして」日々活動しています。
◎早川充さん(ワークセンターまことくらぶ)
『なぜ、障害福祉と出会えたのか』
「なんで皆児童なんだろうね」――
自分が今の職場で実習をした際に、当時の管理者から受けた言葉である。教育の道に挫折し、新たな場所で出会った一言により先入観を打ち砕かれた男が初めて踏み込んだ障害福祉の現場、そこで出会った利用者の皆様との様々な関わり等、今の職場で過ごした8年間を振り返る。
◎細江昌憲さん(NPO法人トモニ)
『社会はお互い様』
人は目標に向かってエイヤ、エイヤと前に進み、常に成長しなければいけない、何かをできるようにならなければいけない、と考えている人は多いと思います。もちろん。それを否定するわけではありませんが、僕は、福祉業界に転職して、人はただそこにいるだけで意味があることを実感しました。お互いに与え、与えられるが反転しながら、良い関係が広がっていくとよいな、と思います。社会はお互い様なのです。
2024年7月13日開催「立川市総合福祉センター」
本の内容:
◎山本さん 『ままがガンになるということ』
胸のしこりに気付いた日から、短期で迫られる治療方針の選択、手術への不安、さらには待ったなしの子育てと‥奔走し迷走する日々の始まりでした。数々の困難を乗り越えて治療が落ち着いた現在、『がんママカフェ』との出会いをきっかけに、がんのままとその子どもに寄り添うボランティア活動『LOOP!』を始めました。
◎青山若葉さん 『精神障害と発達障害のグレーゾーン、でも結婚して地域で生活できている!』
「こころの病の一番の治療は、薬ではなく人との関わり」とある精神科医の言葉です。夫婦ともに精神障害を抱えながら、地域の社会資源を活用し暮らしています。色々な人が支えてくれることに感謝して、今日も地域で生きています。
◎まっけ さん 『変化した価値観』
年々増え続けている「不登校」。中学生時代の約3年間、「不登校」だった私。そんな私が、行けなくなったきっかけ、当時何を思い、何を考えていたのか、自分の持つ「価値観」や「自意識過剰」との戦い、どうして不登校から脱却したのか、不登校を経て学んだこと、現在に活きていることを中心にお話しします。皆さんがお持ちの「価値観」はもしかすると、何かの出来事ひとつで変化していくかもしれません。
◎渡邊さん 『お酒をやめ続けること』
お酒を普通に飲むことができなくなりました。断酒会に入会し、時間はかかりましたが飲まないで生活できるようになりました。これからも断酒を続けていきたいと思います。
◎むーみんママさん 『しんどいけれど楽しいの。幸せは心が決める。』
勝手にプロのシングルマザー認定を自分にするむーみんママです。ひとり親の当事者団体の代表として15年目になります。最初からつまずいてしまっても、予期せぬ運命に苦しめられたとしても、人は立ち上がる強さがあります。そして繋がる縁が力をくれたりします。どんな人も自分の物語を持っています。ひとり親で生きる、ひとり親で育つ。怒っても泣いても笑っても、自分の幸せは心が決める。そう信じて今も走り続けています。
読者の感想
「それぞれの体験から乗り越えられたものをもとに、新たな活動につなげていることを知り、自分自身の知らないことの学びになった」
「当事者の生の声を聞ける貴重な機会だった。自分の価値観などが広くなった」 等
2024年3月2日開催「立川市総合福祉センター」
本の内容:
読者の感想:
「違いを知る、理解する、理解したうえで接することの難しさを学びました」
「来てよかったです。また開催されたらぜひ参加したいと思います」
等
2024年2月22日開催「立川療護園はごろもの音」
本の内容:
はごろもの音の職員の方や入居者と周辺に住んでいる地域の方々など18名にご参加いただきました。
読者の感想
「具体的に当事者の思いや感じ方が伺えて大変良かった」
「興味を持つ人、理解がある人が地域にいることや、そういった経験を持った人を受け入れる施設、学校、居場所を知る機会になった」 等
2023年10月15日開催「地域福祉アンテナショップスマイルキッチン」
本の内容:
ヒューマンライブラリーが始まると降っていた雨が止み、のどかな雰囲気での開催となりました。
「本」役の方3名と大学生を含む読者10名で実施しました。
読者の感想
「不登校というくくりではなく、それぞれに合った方法で自信と信頼を得ることを考えなければと気づかされた」
「2022年度の不登校児童・生徒の数が発表されたばかりで、マスコミ等でも広く取り上げられタイムリーな企画だった」等
2023年9月20日「地域福祉アンテナショップのむすび」
本の内容:
アットホームな雰囲気の中、「本」役の方2名と読者4名で開催しました。
読者の感想
「本の方々のお話も当事者ならではの深い思いが伝わってきた」
「自分の考えが広がる機会になった」等
問合せ:042-529-8323 (ボランティア・市民活動センターたちかわ)